参院選に表れた日本の民心と日韓関係 / 南基正 [2019.7.24]
去る21日、日本で参院選が実施された。選挙が公示された7月4日は、日本政府が韓国に対して半導体の素材部品3品目の輸出審査の強化措置を施行した日でもあり、韓国内でいつよりも参院選に対する関心が高まった。こうした時点で報復措置を実施したのは、安倍が韓国たたきを通じて支持勢力を結集させて改憲エネルギーを確保しようとする目的だという観測があったからである。
参院選の結果は、次の3点に要約される。第1に、自民党と公明党の連立与党は過半数を確保した。第2に、政府与党を含めて改憲派議員の議席は改憲発議が可能な3分の2には到達できなかった。第3に、野党の安倍批判が組織的に表面化して橋頭保を確保した。
安倍首相は選挙戦の最中、「安定か混乱か」という選択肢を投じた。これに対し、政府与党に過半数の議席を与えたという点で、日本の国民は安倍を信任して安定を選択した。だが、日本国民は憲法改定についてはまだだと答えてバランスをとった。こうした結果は2つの面で特筆に値する。まず、前回の参院選では改憲派議員が3分の2以上の議席を占めたが、今回は日本国民がこうした参議院の構成を否定したという事実である。さらに注目すべきは、今回の参院選が衆院選を含め、安倍首相が主導した選挙で初めて改憲を正面から取りあげたという点である。改憲をテーマにした選挙で、これを牽制する国民の意思が表われたという点は重要である。すでに衆院選で改憲派議員が3分の2を占めている点を考えれば、参院選でこれを阻止したというのは、日本国民がまたも絶妙なバランスをとったことを意味する。
安倍首相は選挙戦の最中、「安定か混乱か」という選択肢を投じた。これに対し、政府与党に過半数の議席を与えたという点で、日本の国民は安倍を信任して安定を選択した。だが、日本国民は憲法改定についてはまだだと答えてバランスをとった。こうした結果は2つの面で特筆に値する。まず、前回の参院選では改憲派議員が3分の2以上の議席を占めたが、今回は日本国民がこうした参議院の構成を否定したという事実である。さらに注目すべきは、今回の参院選が衆院選を含め、安倍首相が主導した選挙で初めて改憲を正面から取りあげたという点である。改憲をテーマにした選挙で、これを牽制する国民の意思が表われたという点は重要である。すでに衆院選で改憲派議員が3分の2を占めている点を考えれば、参院選でこれを阻止したというのは、日本国民がまたも絶妙なバランスをとったことを意味する。
こうした点で、3番目の結果は重要な意味をもつ。日本の参院選挙は1人から6人までを選ぶ選挙区制と比例代表制を混合させた極めて複雑な制度を採用している。今回は1人区に注目する必要がある。今回32の1人区すべてで野党は統一候補を立てて、与野対決の構図をつくりだした。その結果は22対10で与党の勝利だったが、その内容に注目すれば、安倍の独走にブレーキがかかったことが読みとれる。安倍が推進する核心的政策で反対が組織化されたからである。特に注目すべきは沖縄と新潟、そして秋田県である。それぞれ米軍基地の移転、原発再稼働、イージス・アシュア(陸上型ミサイル防御システム)配置問題をめぐって明確な戦線が形成され、ここで野党候補がすべて勝った。改憲にブレーキがかかった点も考えれば、今回の参院選の結果、安倍は政局運営にかなりの負担を抱えることになったのだ。
また野党の中で、安倍批判を最も鮮明にした日本共産党と立憲民主党が善戦したという事実にも注目すべきだ。テレビでは、立憲民主党の代表が安倍首相の今回の報復的措置に対して論理が支離滅裂だと激しく批判する場面もあった。ネット右翼が掌握したインターネット世論は、立憲民主党のこうした態度を袋叩きしていたが、結果的に立憲民主党は議席数を増やす成果を上げた。 今回の選挙では、過去のどの選挙よりも遊説場で安倍批判が組織的に起きたという点でも特記に値する。過去にも、安倍首相が現れた遊説場で「安倍反対」のスローガンが叫ばれたことはあった。今までの選挙では自民党支持の市民がこれを積極的に制止したりした。だが、今回の選挙ではかなり自由に反対の意思を表明できた。彼らの組織的な行動のために、結局、選挙遊説戦の最後に、安倍首相はあらかじめ遊説日程を公表しない状況まで生じた。
こうした事情から、韓国たたきを収拾局面へもっていこうと日本政府は苦心しはじめている。日本政府の困惑ぶりと焦燥感は、請求権協定第3条による解決時限を超えた18日から投票日の21日の間に見せたハッキリしない態度から読みとれる。安倍の韓国たたきが保守右翼を結集させるための参院選用だったなら、追加措置で雰囲気を高揚させるために、これほどいい機会はなかっただろう。だが実際に、日本からそうした措置はとられなかった。公式的に出てきた反応は、韓国が「国際法違反」の状態を是正すべきだという原則的なものだった。従来、公言していたのとは異なり、問題を国際司法裁判所へ直ぐに持ち込もうという立場も表明しなかった。むしろ、請求権協定第3条による協議や仲裁を再度始めることもあるとし、外交的な解決法を強調した。そう見ると、同じ日に河野外相が南官杓大使を呼び出して神経質な反応を示した無礼ぶりは、対応のレベルに悩む日本の焦燥感を粗雑に示した証拠である。
今回の参院選の結果に表れた日本国民の意思と日本の政治状況を正確に理解することで、安倍政権の日本に相対する適切な戦略が見つけうる。安倍を悪魔化してすべてを陰謀と術策で把握すれば、日本の弱点が見えてこない。安倍に対する過剰な読みこみを警戒しよう。そうしてこそ、私たちが原則を遵守しながら、強制動員問題の名誉ある解決法を提示できる道が見えてくる。
翻訳:青柳純一・青柳優子