창작과 비평

遅々として進まぬ米朝協議、朝鮮半島の「新たな道」/李南周 [2019.12.4]

1年を締めくくり、翌年の計画を立てるのに忙しい年末である。だが、国内外を見れば、今年が終わろうとしているという感じがしない。朝鮮半島の情勢も同様で、何より米朝協議は依然として膠着状態にある。年末まで特別な突破口が開かれない場合、北が重ねて強調する「新しい道」がどういう姿で現れるかによって、来年の朝鮮半島情勢は大きく左右されるだろう。すでに多くの人がそのように予想しはじめている。今となっては、米朝協議の新たな突破口の形成は難しいというのが支配的だからである。今や北がどういう選択をするのか、それにどう対応するかに関心が集まっている。特に、金正恩国務委員長が新年辞で提示する「新たな道」の方向が朝鮮半島情勢に否定的な影響を与えないように備えるのが、残りわずかとなった2019年になすべき重要なことである。
 さて、「新しい道」に対する評価と対応に関心を移す前に、2年近くにわたる米朝協議が、結局なぜ一歩も前に踏みだせなかったのかを真摯に検討する必要がある。この問題に対する回答を見出せなければ、朝鮮半島情勢が再び極端な対立へと進むのは避けられるとしても、今後の問題解決に至るのは難しいからである。米朝協議の突破口が開けない最大の理由は、もちろん非核化に関する米朝の立場の違いが狭まらない点にある。北は安全に対する憂慮を解消する実質的な相応措置がない協議には関心がないと明らかにしてきた。最近では連絡代表部の設置や終戦宣言などは米国がいつでも引っくり返せる措置と評価を下げたりもした。そして、「(経済)発展権の保障」を対北敵対政策の解除の主要内容として提示した。だが、トランプ政権は北の非核化を引き出す手段を喪失するという憂慮から、制裁解除などを含めた相応措置には否定的な態度をとっている。
 北が自ら取ろうとする措置にあまりに高い代価を要求するのは明らかに問題だが、これは協議を通じて解決しうる事案といえる。だが、米国は非核化する前に制裁を解除できないという態度を堅持して協議の進展を根本的に妨げている。北に実質的な非核化を要求しながら、相当期間彼らの関心事を受け入れるつもりはないという調子なら、北の呼応を引き出すのは難しい。昨年来のシンガポールとハノイの首脳会談で、北は米国のこうした態度が変わりうるという期待を表したこともあるが、今はそれさえもほぼ消えている。
 もちろん米国の憂慮、つまり制裁を解除すれば北の非核化を促す追加の手立てがないという憂慮は、現状況で全く根拠がないわけではない。だが、そうした憂慮に基づいた対北政策、つまり先非核化論が結果的に北の核ミサイル能力の強化に帰結されてきた歴史を直視する必要がある。のみならず、こうした憂慮は米国が制裁以外に北の行動に影響を及ぼしうる手立てが他に何もないことを認めるものだが、これは長年の対北封鎖政策の結果である。そして、封鎖政策の結果である関与(engagement)手段の不在は、またも対北協議で米国が柔軟性を発揮できなくする主要な原因として作用している。これは意図とは異なり、北をますます核とミサイルのような軍事的抑制に執着させてきた。
 対北封鎖を前提にして北の非核化を強制しようとする戦略では、協議と対決のサイクルを往復してきた今までの悪循環から抜け出しがたい。だから、これとは異なる接近法を積極的に考える必要がある。米朝協議で制裁解除を含めた段階的な進展を達成し、外部世界と北の間の交流を拡大させ、これを通じて非核化を促進する内的エネルギーとともに国際的な関与を強化する接近法である。これは北の社会の多様な領域で外部社会との交流が活発化すれば、結局は非核化と朝鮮半島の平和に肯定的な影響を及ぼすだろうという判断を前提にしている。もちろん、こうした接近法には最終的な非核化の時限が設定されておらず、北のいわゆる「食い逃げ行為」を防止しがたいという問題はある。米国の指導者がこうした不確実性をものともせずに、自らの政治的資産を投入する可能性も低い。しかし、新たな接近がなければ、朝鮮半島情勢は今後も「協議―対決」のサイクルを繰り返すだろうし、お互いの危険を回避するやり方で対応する間に状況はますます深刻化していく。
 結局、状況を変化させる主体は南と北でなければならない。南であれ北であれ、米国の新たな政策によって朝鮮半島情勢が肯定的に変化できるという希望的な思考から脱すべきなのだ。こうした接近が、朝鮮半島問題を解決するにあたり、南北関係の役割を縮小させてきた。逆に、南北関係の進展を通じて米国が朝鮮半島問題に新たに接近しうる環境をつくるべきである。まず南は、対北国際制裁が解除される以前でも、朝鮮半島に新たなダイナミックな状況を創りだすために、南北協力事業に対する広範囲な制裁免除を要求し、これを貫徹すべきである。こうした役割を南が果たせるのか、懐疑的な見方も根強い。2019年の南に対する北の攻勢的な態度を考えれば、確かにそうである。こうした北の態度は2020年初めまで変わらないか、むしろ強まることもある。しかし、北も米国も短期的な状況突破が難しいと判断すると同時に、状況が軌道から離脱することは願わないなら、南が彼らを説得する余地は広がるだろう。北も米朝交渉にのみ焦点をあてる方式から脱皮し、南北の本格的な協力の進展を具体的な非核化へと連結することにもっと積極的な態度をとる必要がある。そうしてこそ、北の非核化への意志に対する国際的な信頼を高めることができるし、米国との協議で自らの要求を貫徹する上でも有利な環境をつくることができる。南北協力が朝鮮半島情勢を変化させる主要なエネルギーとなることこそ、真の「新たな道」である。北の新たな道ではなく、朝鮮半島の新たな道を想像すべきである。

 

<訳者コメント>
日本人の私でも「時宜適切かつ、いずれ実現可能な提案」であると感じ、すぐに翻訳に着手した。「キャンドル革命」の第3段階ともいえる現状況で、南北が主導する「東アジアの平和づくり」に、日本の市民の呼応も求められている。

 

李南周(聖公会大学教授)

翻訳:青柳純一・青柳優子