창작과 비평

キャンドル連合の再構築のために [2022.05.25]

 

確かに、この5年間韓国社会を最も強力に規定してきたのはキャンドル革命だった。キャンドル革命なしには説明できない現象が多々起きた。キャンドル政府を自任した政権の様々な失政にも拘らず、市民が「ともに民主党」に単独過半数をはるかに上回る圧倒的な国会議席を与えたのは異例のことだった。その後、議員経験もない30代の保守野党党首が誕生し、政治交代の熱望に押されて与野二大政党の大統領候補に国会議員の経験が全くない人物が選出されて熾烈にぶつかり合うなど、先日の大統領選挙まで異変が続いた。特にこの2年余り、コロナ・パンデミックという未曽有の事態を前に、韓国人が示した高い市民意識はキャンドル革命がもたらした覚醒と決して無縁ではない。しかし、キャンドル革命でかつて審判された勢力に再び政権を返納してキャンドル政府第2期の成立に失敗した今、キャンドル革命は今も進行中なのか。


 

まず、政権移行委員会の発足から新大統領が就任した最近までの状況に注目する必要がある。やはり以前になかった現象が展開しているからである。新政権の国政哲学や政策の方向は具体的に定まっていない代わりに、検察改革のような前政権の核心テーマが選挙の敗北にも拘らず、むしろ争点化している。そうかと思えば、新大統領への期待が退任した大統領の最後の支持率にも及ばないという調査結果が度々出ている。「新政権の抱負が展開されるよりは、大統領選挙の延長戦が続いているような状況が持続し、むしろ騒然とした雰囲気」(李日榮「政権移行委員会50日、何を示したのか」『チャンビ週刊論評』2022年5月11日)という観察が説得力をもつ理由である。大統領選挙当時、尹錫悦候補を支持した有権者集団の中にもすでに緩みと亀裂が生じているわけで、過ぎし5年に区切りをつけて新たな5年に向けて進んでいるという感覚が幅広く共有されるのは難しい。


 

ここで、キャンドル大抗争後に行われた二回の大統領選挙を比べてみる必要がある。第19代大統領選挙の結果を見れば、民主党の文在寅候補は41%の得票に留まったが、キャンドル大抗争に参加したいわゆるキャンドル連合の合計得票率は70%を超えた。伝統的に保守傾向を示す有権者の相当数もこの緩やかな連合に参加したからだった。これに比べ、第20代大統領選挙の結果は尹錫悦48.56%、李在明47.83%、沈相奵2.37%の順だったが、これはひとまずキャンドル連合に参加していた保守傾向の有権者の大部分が離脱したからだと言える。それなら、尹錫悦候補を当選させた有権者が示す最近の緩みはどのように説明すべきであろうか。


 

キャンドル連合に生じる乖離作用を管理できなかった第一の責任は前文在寅政権と民主党にある。だが、今回の大統領選挙の結果だけでキャンドル連合に破産宣告を言い渡すのは早い。尹錫悦政権の誕生を支えた、または支えている支持層の構成とその結合はそれほど安定的ではないのも、キャンドル連合の求心力がまだ生きているからだ。現在、尹錫悦政権に対する期待は歴代大統領の就任直後の支持率のみならず、先日の大統領選挙で自らが得た得票率にも及ばない実情なので、キャンドル連合の緩やかな外郭を占めていた人々の尹錫悦政権からの離脱が構造化する可能性も常に存在している。


 

新人政治家の大統領当選という異変が解釈の焦点である。直接選挙制度の下、韓国の大統領は長い政治経歴を通じて「検証」された大物クラスの人士やその後光を背にした、好きであれ嫌いであれ、象徴性が強い存在だった。その象徴の内容は、例えば産業化と民主化に大別された一種の巨大言説とでも言うべきだが、尹錫悦新大統領の場合は全く異なる。彼はシンボルというよりもプラットホーム的な人物である。言いかえれば、一つの時代精神を代弁して核心テーマを投じて衆知を結集して引っ張っていく、求心的かつ価値形成的なリーダーではなく、様々な既得権の利害集団の欲望が随時集まっては散らばる時勢反映型のハブ(hub)に近いものである。ある意味では、何の象徴的内容ももたない存在であり、言説的な装いすら面倒に思うあらゆる既得権集団の赤裸々な欲望が接合する場として選ばれたのだ。もはや韓国社会の代表的な利益集団になってしまった検察や、世論の偏りを助長してでも影響力と利益の増大を図る言論機関などが代表的であり、私益のためには水火も辞さない態度を世の中の唯一の秩序と見なす既得権勢力がそこに網羅された。キャンドル革命の時代精神を前に、これを否定できなかった守旧保守勢力は新しいテーマや言説による求心力の代わりに選んだ苦肉の策がこうした既得権層の連帯だった。そのため、価値連合には至っていない彼らの構造的な不安定性を、ともすれば自然に見せたりする。


 

いずれにせよ、三金時代のような象徴的なリーダーシップの時代の再来は難しい。民主社会における現実政治はすべてを備えた一人の聖人君子が担うものではなく、権限を委任された多数の代理人によって遂行されるのだ。そのため、既得権連合を壊すためには新しい「多数」を組織するキャンドル連合の再構築が政治過程の中心にならざるをえない。キャンドル革命で始まった政治交代の輿望を反映し、多様化した政治的意思の代表性を強化する政治改革が絶対に必要である。現実的に民主党というツールの重要性は今までになく高まった。だが、キャンドル連合が民主党と進歩改革勢力の単純な合計以上のものだったことを忘れてはならない。現在の民主党と進歩改革勢力、そして彼らを補強し、督励してキャンドル革命を一段階進展させようとするキャンドル市民には自らを更新する知恵が切実に求められる理由である。重量挙げに例えれば、今はジャークの直前と似た局面である。あごの下までは持ち上げたが、頭上に一気に持ち上げることには一度失敗したのだ。安易に考えるべきではないが、今回の大統領選挙で民主党と正義党の得票だけを合わせても過半数に達した。問題は、キャンドル連合を再構築する制度的な土台と合意の形成である。

 

 

姜敬錫(文学評論家)

翻訳:青柳純一