北朝鮮例外主義VS現実主義 / 李恵正

 

創作と批評 185号(2019年 秋)目次

 

李恵正

『中央大学政治国際学科教授。著書『冷戦以後のアメリカの覇権』等がある。 heajeonglee@gmail.com

 

 

「北朝鮮の最近のミサイル発射と核実験が証明するように、交渉のない圧力は失敗の処方箋である。」1

「北朝鮮を平和的に非核化する最後の希望は、武装解除して改革するか、それとも滅びる道しかないという点を北朝鮮に気付かせることである。」2

「北朝鮮との外交的関与を通じて我々が試みているのは、我々の政策軌道を変えることによって、彼らの政策軌道を変えることができるかを確認することである」3

「現在と違う未来を約束しながら北朝鮮に一方的な核能力の放棄を求めるアメリカの立場は、国際交渉の現実よりもアクション映画にいっそう似合うような、力に対する一種のアメリカ的幻想である」4

「我々にとって戦争と平和は選択の問題ではない」5

 

ハリケーン・トランプ

 

アメリカは韓半島(朝鮮半島)の平和(と戦争)の核心の軸である。冷戦以後アメリカの韓半島政策は、韓米同盟と北朝鮮の核問題に集中されていた。前者の歴史的趨勢は曲折が皆無だったわけではないものの、少なくともトランプ政権が登場する前までは一貫して韓米同盟における韓国の役割と責任を増やし、同盟の範囲は地域的・世界的に、そしてその領域は軍事安保から経済と価値へ拡張する同盟の再調整であった。それに対し、北朝鮮核政策は北朝鮮の先非核化に伴う経済的・外交的補償という交渉の方針がつくられたものの、常に混乱を招くようなものであった。核廃棄と北朝鮮体制の保障との間の拮抗関係、軍事的-非軍事的解決方法及び圧力と交渉の調整、非核化と補償の先後等と関連したジレンマのためである。

クリントン政権は、公式には米朝枠組み合意(ジュネーブ合意)とペリープロセスを通じて対北朝鮮交渉を続けたが、議会や朝野では失敗国家である北朝鮮の早期崩壊論が蔓延していた。ブッシュ政権は9・11テロといわゆる「2次北朝鮮の核危機」を理由にして北朝鮮を「悪の枢軸」と規定し、予防戦争と先制核攻撃ドクトリンを明らかにしたが、政権末期には北朝鮮に対する経済支援を越え、韓半島の平和体制はもちろんのこと、北東アジアの多国間安保体制までを議論する6者会談の枠内で北朝鮮の核問題を取り扱った。オバマ政権は相対的に安定した「戦略的忍耐」政策を行った。イラク戦争の混乱を収拾し、グローバル金融危機を克服するのが最優先課題であり、韓国では保守勢力が政権を握り、北朝鮮では金正日の死亡等によって体制が不安定になり、南北関係も断絶したからである。

アメリカの民主主義と覇権の文法をすべて否定するトランプ政権の登場は、2016〜17年韓国とアメリカの政権交代期に行われた北朝鮮の核とミサイル能力の強化及び韓国内のリベラル系政権の登場と相まって、韓米同盟そして北朝鮮の核に対する解決方法に急激な変化をもたらした。トランプは反難民・反移民の人種主義的・排外主義的「白人優先主義」、アメリカの既存の政治秩序の全般を批判する権威主義的民衆主義の「トランプ優先主義」、そして経済的民族主義の「アメリカ優先主義」を掲げて政権を握った。白人優先主義とトランプ優先主義は「民主主義のモデル国家・アメリカ」の消滅を意味していた。そして、アメリカ優先主義はパリ協定とTPPの脱退、NAFTAと韓米FTAの改正、同盟分担金引き上げの要求等で自由貿易と多国間主義、同盟の枠組を壊した。それによって、安保はもちろん経済や価値のレベルでも韓半島を越え、地域的・世界的にアメリカと協力するという韓米戦略同盟の基盤は崩され、安保の基盤も浸食された6

北朝鮮に対する政策の変化はより劇的であった。トランプ政権は、成立直後には北朝鮮を完全に破壊することもできるという「炎と怒り」の軍事的脅威を含む最大の圧力政策を行ったが、2018年に入ってからは文在寅政権の仲裁を受け入れ、米朝首脳会談を進めた。それは、トランプを軽蔑しつつ、不良国家の北朝鮮との交渉は無意味であり、軍事的・経済的・外交的圧力を通じてのみ北朝鮮の非核化を達成することができると信じるワシントン朝野の大半の韓半島専門家と覇権エリートたちにとっては「衝撃と恐怖」であった7

トランプは、昨年6月シンガポールで開かれた米朝首脳会談において新しい米朝関係、韓半島の平和体制と非核化及び米軍遺骨送還に合意するトップダウン式の最大の関与へと急旋回した。トランプが記者会見で韓米連合軍事訓練を費用の多くかかる「ウォーゲーム」と規定して中断を宣言し、また北朝鮮が核兵器及び大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験を中断することによって、「双中断」が始まるようにもなった。その後、北朝鮮はシンガポール共同宣言に盛り込まれた条項の順序通りに新しい米朝関係と韓半島の平和体制の構築による非核化を期待し、2018年9月の平壌宣言で「アメリカが6・12米朝共同声明の精神によって相応の措置を取れば、寧辺にある核施設の永久廃棄のような追加措置を取り続ける用意」があることを明らかにした。

2019年2月のハノイでの米朝首脳会談を控え、トランプ政権の対北朝鮮特別代表であるビーガン(S. Biegun)は、1月末スタンフォード大学の演説において「同時並行」交渉戦略を明らかにし、非核化する意志のない北朝鮮との交渉が何の意味があるのかという質問に対しては、北朝鮮核の厳重な危険性を考慮する際、アメリカの政策変化を試みるのは非常に差し迫った外交的課題だと答えた。北朝鮮の「寧辺+α」に対する補償として終戦宣言と連絡事務所の設置、南北経済協力の容認や制裁の部分的解除等に対する合意が行われたという報道が流れたりもした。ところが、トランプの個人スキャンダル関連の聴聞会が開かれている間に開催されたハノイ首脳会談は、トランプのビッグディール要求と北朝鮮の制裁解除の要求とが対立し、「ノーディール」に終わってしまった。韓半島の平和体制のみが北朝鮮の完全なる非核化の道と信じる積極的関与論者らや、段階的交渉のみが北朝鮮の核の脅威を管理することができると評価する消極的関与論者らは、ハノイの失敗はアメリカが幻想に陥っているからだと批判した。

ビーガンは、3月11日カーネギー財団の対談において「同時並行」戦略の根本的な土台は非核化トラックだと解明している8。厳密にいえば、ビーガンが1月にスタンフォード大学の演説で明かした交渉の方針は、実際伝統的な北朝鮮に対する先非核化要求とシンガポール共同声明合意事項の(北朝鮮が期待する順次的ではない)「同時並行」戦略が混在したものであった。(「我々は北朝鮮の交渉相手に対して、北朝鮮が最終的で完全に検証された非核化(FFVD)に対する公約を履行することを前提に、北朝鮮の明るい未来と韓半島の平和の新しい機会を昨年の夏シンガポールで両国の首脳が合意したすべての公約とともに、同時にかつ並行的に進める準備ができていると伝えた。」)

北朝鮮の金正恩委員長は4月12日の施政演説を通じてアメリカが交渉の方針を変えなければ、北朝鮮としてはやむを得ず新しい道を考慮せざるを得ないと圧迫した。6月末日本で開かれたG20サミット直後、韓米首脳会談のために訪韓するトランプがSNSを通じて金正恩を板門店に招待し、6月30日南北米3国首脳が電撃会合を持った。約50分間行われた両者会談でトランプと金正恩は2-3週以内に米朝実務交渉を開催することに合意した。しかし、北朝鮮は8月に予定されていた韓米連合軍事訓練を批判しながら、7月下旬短距離ミサイル実験と放射砲射撃を敢行し、トランプは短距離ミサイル発射実験が「双中断」違反ではないと言いながら、交渉の動力を維持した。米朝実務交渉は8月初め現在再開されていない。

「ハリケーン・トランプ」は、トランプによる既存の秩序の破壊あるいは攪乱に対する比喩である。首脳会談と双中断を通じて、トランプは伝統的な対北朝鮮圧力政策の枠組を壊したが、先非核化強要の延長である北朝鮮に対するFFVD要求と制裁維持の方針を通じて、シンガポール首脳会談の新しい枠組を制限的にのみ受け入れている。北朝鮮とトランプに対するワシントン主流の不信感は依然として強い。シンガポール共同宣言は北朝鮮の既存の非核化公約に程遠い、極めて抽象的な宣言に過ぎず、非核化の定義とロードマップに対する合意に失敗したのは、北朝鮮が本当に核を諦める意思がないからであり、「リアリティショー」のような形で一貫したトランプ式首脳外交では今後も非核化の実際的進展は期待しがたいということである。ところが、ワシントン主流も北朝鮮の核問題に対する軍事的オプションの限界と外交的妥協の不可避さは認める。1990年代初め1-2個の核兵器を製造することのできるプルトニウムを保有していると疑われていた北朝鮮は、現在アメリカを打撃できるICBMを開発し、少なくとも20個以上の核を保有していると推定される9 。北朝鮮の核能力が関与と妥協を強要するのである。以下では、アメリカの韓半島政策を強圧(coercion)と関与(engagement)に区分して検討し、政策言説の重きが一定に関与へ移動している推移を確認する。

 

 

北朝鮮例外主義:不良国家に対する強圧

 

アメリカの韓半島政策を大きく強圧と関与に分けるのは、当然理念型(ideal type)次元でのことである。現実においては、強圧の場合にも北朝鮮と外交的対話チャンネルを完全に遮断する場合は稀であり、関与の場合にも北朝鮮に対する封鎖と抑制、防御等の軍事的対策を並行する。ところが、強圧-関与のスペクトラムにおける各々の政策言説は、北朝鮮の脅威と能力、韓米同盟の役割、アメリカの利益と能力等に対する相違の評価に基づいて、それぞれ異なる政策上の優先順位を提案する10。政策言説として強圧と関与を分ける重要な基準は、北朝鮮との交渉を有効な政策手段として捉えるか否かである。強圧の視点から見られる北朝鮮は例外的に邪悪で、如何なる交渉も無意味な敵性・独裁・不良国家なのである。強圧論は予防戦争論、体制転換論、地域同盟論に分けることができる。

強圧の極端にあるのが、北朝鮮には核の抑制も作動しないという予防戦争論である。現在アメリカにおける予防戦争論の代表的主唱者は、トランプ政権の国家安保補佐官を歴任したマクマスター(H. R. McMaster)である。クリントン政権以来、歴代アメリカ政権は北朝鮮問題の軍事的解決方法を模索してきたが、結論はいつも予防戦争であり、北朝鮮の核とミサイル全体を除去できるか確信できず、北朝鮮が核兵器で対応する場合、その被害が大きすぎるということであった。オバマ政権の国家安保補佐官を歴任したライス(S. Rice)は、2017年8月10日付のコラムでトランプとマクマスターが主導した「炎と怒り」の脅威に反対した。その理由は二つであった。第一に、予防戦争の被害である。オバマ政権が検討してきたところによれば、北朝鮮を相手に先制攻撃を強行すれば、休戦線から約50㎞内にある2,600万人の韓国人と20万人に上る駐韓アメリカ人と米軍、そして4万人の駐日米軍が人命被害を被る危険性があり、アメリカ本土が攻撃される危険性と中国が介入する可能性もあり、世界経済を破局に追い込むこともあり得る。第二に、金正恩の合理性である。金正恩が核武力を政権の生存において本質的なものとして見なすので、それを諦める可能性は非常に低く、結局その使用を抑制しなければならないが、彼は「邪悪で性急だが、非合理的ではないため」北朝鮮に対しても伝統的な抑制が作動するということである11

マクマスターは8月13日時事トークショーに出演し、兄を毒殺するほど残酷な金正恩政権には伝統的な抑制が効かず、北朝鮮の核問題の解決のための軍事的オプションもあると主張した12。ソ連と比較すれば、ソ連の核は合法であるが、北朝鮮の核は不法であり、ソ連はアメリカと対等な軍事的競争者として戦略的安定を追求したが、北朝鮮はアメリカの軍事力に弱く、不安定を招いているという点を挙げ、北朝鮮に対する戦略爆撃等の軍事訓練とデモは必要だという主張が包括的強圧論の視点から提起されたりもする13。北朝鮮に一方的な核放棄を強要する「リビアモデル」の強力な主唱者のボルトン(J. Bolton)も、トランプ政権の国家安保補佐官になる直前に予防戦争の国際法的正当性を主張したことがある14

体制転換論は冷戦時代の反共主義理念闘争の延長線上にある。北朝鮮政権を単純に正常的ではないという程度ではなく、嫌悪感を与えると評価する視点から見れば15、韓国のリベラル系政権は対北朝鮮体制の転換と韓米共助の障害物であり16、トランプの対北朝鮮関与がハノイ首脳会談の「ノーディール」のように進展を見ることができないのは当然である。北朝鮮は「善意を善意で返すことを許さない体制」だからである17

体制転換論の最大の武器は経済制裁である。タフツ大学(Tufts University)のイ・ソンユン教授は、オバマ政権以来ワシントンの朝野で対北朝鮮経済制裁と人権・理念攻勢を主唱してきた代表的な人物である。彼によれば、北朝鮮は1960年代以来挑発で危機を煽り、交渉の場を作った後、偽装の平和公約を打ち出し、譲歩を得る邪悪なパターンを繰り返してきた。それ故、オバマ政権の「戦略的忍耐」は正しい対応であり、より積極的には北朝鮮に対する制裁と、同時に核兵器開発に転用される援助を並行してきた誤謬を是正し、全面的な経済制裁を実施しながら、北朝鮮住民に北朝鮮体制の実状を知らせる批判的な情報を積極的に提供しなければならなかったということである18

イ・ソンユンは北朝鮮体制に非常に批判的であったが、朴槿恵政権の失政と朴前大統領を弾劾した韓国民主主義については沈黙した。むしろ彼は弾劾以後成立する韓国のリベラル系政権が対北朝鮮制裁を緩和することを憂慮しながら、予防的措置を取らなければならないと、間もなく就任するトランプ政権に提案した19。トランプ政権の成立以降、イ・ソンユンは他の強圧論者らとともに包括的な対北朝鮮制裁-体制転換案を提案した。核心の主張は「北朝鮮を平和的に非核化する最後残された希望は、武装解除して改革するか、それとも滅亡する道しかないという点を北朝鮮が気づくようにすること」であり、そのためには「政治的転覆」と「財政的孤立」が必要だということであった。後者のモデルは、財務部がバンコ・デルタ・アジア(BDA)を制裁し、北朝鮮の資金ルートを圧迫していた成果と、2016年議会が立法化したアメリカ独自の2次ボイコットを含む包括的な対北朝鮮体制法案であった。これらのモデルに基づいて、イ・ソンユンは北朝鮮が完全で検証可能な非核化を実施する時まで北朝鮮のすべての海外ドル資産を凍結することを提案した。「政治的転覆」案は上流階層の脱北を図ることを超え、北朝鮮のエリートに体制転換に同調すれば、統一民主韓国での未来を保障し、それを拒否する場合には処断を警告する、北朝鮮の立場から見れば露骨な「対北朝鮮敵対視政策」であった。しかし、アメリカ体制の拡大を推進しないと宣言したトランプ政権は、北朝鮮に対する既存の経済制裁を維持してはいるものの、体制転換に必要な「政治的転換」と「財政的孤立」戦略は施行していない20

北朝鮮に対する軍事的オプションの危険性を厳重に評価し、理念的情熱で北朝鮮体制の転換または転覆を図るより、日米同盟を根幹とするアメリカの地域戦略レベルで韓米同盟を管理しようとする戦略的視点へ移動すれば、地域同盟論に至るようになる。韓米日三者同盟研究で博士学位を取得し、対北朝鮮強圧政策を提案しており、実際ブッシュ政権の対韓政策に関与し21、トランプ政権の「鼻血(bloody nose)戦略」に反対して駐韓大使の任命が撤回されたビクター・チャ(Victor Cha)が代表的な地域同盟論者である22

地域同盟論の宿願は、アジア地域において北朝鮮の脅威や中国の浮上に対応するために、アメリカの双務的同盟とパートナーを「連邦的方式」でまとめ上げることとして、日本、韓国、オーストラリア、インド等がその対象である23。とくに、北朝鮮の脅威を名分として韓米日同盟をNATOのように結束することが主要な目標であった。2016年9月に発表されたアメリカ外交協会(CFR)の対北朝鮮政策報告書は、11月の大統領選挙で誕生する新政権を対象に作成されたものとして、韓米日三国の一国を北朝鮮が攻撃する場合、三国全体に対する攻撃とみなすという宣言と、それに合わせて韓米日同盟の制度化を進めることを提案した24

2018年シンガポール首脳会談を控えてビクター・チャは、北朝鮮に対する「正しい強圧法」の原則を地域戦略に合わせて韓半島政策を推進するものとして規定し、具体的な案としては対北朝鮮制裁の強化、大量殺傷武器の拡散を防止する国際連帯の構築等とともに、韓米日同盟をNATOのように強化することを提示した25。体制転換論者がトランプの対北朝鮮関与、とりわけシンガポール首脳会談に対して全面的な批判を加えるのとは違って、地域同盟論者のビクター・チャは板門店での南北米首脳会合のように即興的なトランプの対北朝鮮関与方式は批判するが、トランプ政権が「鼻血戦略」など軍事的オプションを諦めた点は肯定的に評価する26。ビクター・チャの「悪夢」は同盟の弛緩であり、アメリカの対北朝鮮軍事攻撃は韓米同盟の根幹を揺るがすこともできるからである。ハノイ会談での「ノーディール」以降も彼は米朝核交渉の膠着より、韓半島の平和による韓米同盟の弛緩を憂慮した。戦争の脅威から抜け出そうとする韓国政権の平和体制の構築努力を反対することはできないものの、終戦宣言・平和宣言などの平和プロセスが始まれば、同盟をアメリカに対する負担としてとらえてきたトランプが一方的に駐韓米軍を撤収することもできるというのが、彼の「ソウルに関する戦略的苦悩(Seoul/Soul Searching)」であった。平和がアメリカの力を制限するという展望に直面した彼の選択は断然と同盟であった。今後の対北朝鮮交渉は同盟資産を保存する原則の下で行われなければならず、平和協定は駐韓米軍に対する如何なる制限も加えてはいけず、議会はトランプの一方的な決定に対する予防措置として駐韓米軍の維持を法的に規定しなければならないということである27

 

 

現実主義:核国家の北朝鮮に対する関与

 

強圧が例外的に邪悪で脆弱な北朝鮮と、例外的に善で強力なアメリカという北朝鮮-アメリカ例外主義の産物であるならば、関与は北朝鮮とアメリカを状況と能力によって国益を追求する合理的国家と捉える現実主義に基盤を置いている。現実主義は国際政治学界の主流パラダイムであるが、ワシントンの外交安保政策専門家集団では少数に過ぎない。冷戦以後ワシントンの朝野は全地球的同盟体制と軍事力の投射を共通分母とする新保守主義軍事主義と自由主義覇権理論に基づいてアメリカ覇権の世界的拡大を正当化してきたからである。

安保ジレンマは現実主義の基本公理である。関与は、北朝鮮がアメリカに対して感じる安保不安を認め、また北朝鮮の核能力とアメリカの強圧能力の限界も認める。関与の視点から見れば、核抑制と交渉の一般的経験が北朝鮮に適用されないという証拠もなく、アメリカのイラクとリビアへの侵攻、イランの核合意の破棄等を考慮すれば、交渉の真正性を行動で証明しなければならないのは、北朝鮮ではなく、むしろアメリカなのである。関与論は交渉論、平和体制論、駐韓米軍の撤軍論に分けることができる。

交渉論は北朝鮮の核問題の管理に焦点を置く。起源または背景から見れば、交渉論は二つである。一つは、1990年代以来北朝鮮と交渉してきた経験に基づいた伝統的な交渉論であり、いま一つは最近北朝鮮の核能力の増強以降提起される現実的交渉論である。北朝鮮の核問題に対する認識の枠組で見れば、伝統的交渉論は北朝鮮の特殊な状況に対する理解に基づいており、現実的交渉論は現実主義の安保ジレンマや核軍縮、交渉の一般論に依存する。

伝統的交渉論の代表はペリー(W. Perry)である。彼は、クリントン政権1期には国防長官として北朝鮮に対する軍事的オプションを検討し、2期には対北朝鮮調整官として包括的対北朝鮮関与政策である「ペリープロセス」の外交的努力を導いた。ペリーは北朝鮮の非核化意志に対して懐疑的である。北朝鮮政権の生存に核兵器が必須であるため、交渉を通して完全な非核化を導き出すのは非常に難しいという立場である。北朝鮮が単に核開発権利を交渉の対象とした1990年代にも交渉が結局失敗した点を考慮すれば、すでに開発した核兵器を諦めさせる交渉はもっと難しい。しかし、軍事的解決方法はなく、韓国や日本の核武装を許容することもできない。ブッシュ政権やオバマ政権が交渉を諦めた結果は、北朝鮮の核能力の増強として現われた。北朝鮮が邪悪ではあるが、殉教(martyrdom)は望まない合理的行為者であるため、交渉で北朝鮮核問題を管理することができるというのが、彼の交渉(不可避)論である。金泳三政権とアメリカ共和党議会がクリントン政権の対北朝鮮関与に否定的だったことと比べれば、現在文在寅政権が南北・米朝関係の進展に積極的であり、トランプが共和党を掌握している点は肯定的な要素である28

現実的交渉論の主体は大きく2部類である。一つは北朝鮮問題に対する一般論を提供する国際政治や核専門家であり、いま一つは強圧論から「転向」した政策専門家である。北朝鮮の核問題がアメリカの国家安保問題になることによって、韓半島やアジア地域専門家が支配した北朝鮮核政策言説の場に国際安保専門家が大勢参加するようになり、北朝鮮やトランプに対する批判を超えて実際的代案に対する要求が高まった結果なのである。

北朝鮮の核に関する言説において現実主義の浮上を象徴する事件は、『Foreign Affairs』2018年5・6月号が「正しい」対北朝鮮強圧を提案するビクター・チャの共著論文を、誤認による韓半島核戦争の危険を警告する現実主義国際政治学者であるジャーヴィス(R. Jervis)の共著論文と一緒に掲載したことである。ジャーヴィスは、ビクター・チャが主張する北朝鮮例外主義と強圧の効果について次のように批判する。北朝鮮に核兵器の最も重要な用途は政権の生存であり、「赤化統一」や韓米同盟の弛緩は副次的なことである。経済制裁は国際協助が必要であり、効果を見出すまでには時間がかかるが、その間北朝鮮の核能力は持続的に増加する。アメリカが北朝鮮に完全な非核化を「強要する」能力があるのか疑問である。また、北朝鮮に対するアメリカの軍事的脅威や経済制裁は、アメリカの意図通りに北朝鮮を交渉に誘導するのではなく、敵対的サインとして解釈され、北朝鮮の軍事的対応を招く危険がある。交渉は少なくとも米朝が相互の誤解を減らしていく機会を提供する29

国際安保と核の一般論から見れば、北朝鮮核問題の根源は安保ジレンマであり、北朝鮮の非核化と韓米同盟の持続、そして平和は同時に行われることのできないトリレンマである。北朝鮮核問題の解決は核軍縮交渉のモデルをもとに行わざるを得ない。アメリカの専門家らがこれを否定し、持続的に北朝鮮に対して完全な非核化を要求するのは、これまでの失敗を認めることができないからである。ハノイ会談を控えて北朝鮮が閉鎖を提案した寧辺の価値を引き落とすのも慣性的な集団思考の産物である。ハノイでトランプは北朝鮮から得られる最高の取引を蹴っ飛ばした30

北朝鮮の核能力と軍事的オプションの限界等代案の不在を考慮する際、北朝鮮との交渉は不可避であり、短期的課題は完全な非核化ではなく、その前段階の「暫定合意(interim agreement)」であるということに対しては、相当数のワシントン主流専門家らが同意する。「転向した」交渉論者の代表的な人物は、アメリカ外交協会会長のハース(R. Haass)であり、おそらく最も興味深い人物は国益研究所のカジアニス(H. J. Kazianis)であろう。ハースは、北朝鮮が核物質の生産を中断すれば、制裁を部分的に解除することを中心とする新しい交渉案を提案し、この枠組は最近核不拡散専門家のアインホーン(R. Einhorn)によってより具体化された。カジアニスは強圧から関与の現実論と平和体制との間へ転向した事例であるが、その重要な理由は中国の浮上であった。アメリカが中国と北朝鮮を全部封鎖する能力がないがゆえに、中国の封鎖に集中するためには北朝鮮の核問題が解決されなければならず、その解決方法は交渉を通じて北朝鮮が望む安全担保を提供する道しかないということである31

平和体制論は北朝鮮核問題の根本的な解決のために平和の条件を扱おうとするが、1990年代ジェネバ合意と2005年9・19共同声明をモデルとする。1990年代米朝交渉の経験を持つ、今は「38North」ウェブサイトを中心に活動するシガル(L. V. Sigal)とウィット ( J. Wit)等は、既存の米朝交渉の失敗の責任が主としてアメリカにあると批判し、北朝鮮の非核化交渉意志を非常に高く評価する。彼らは、北朝鮮が1970年代以来要求してきた停戦協定を代替する平和協定が非核化交渉の成功の必須条件と強調し、ワシントン主流の憂慮と違って北朝鮮は韓半島平和体制において駐韓米軍と韓米同盟を認めると展望し、シンガポール首脳会談以後北朝鮮に対する相応措置の提供なしに先非核化やビッグディールを要求するトランプ政権に対して、交渉は徹底的に段階別取引によってのみ進展され得ると警告する32

9・19共同声明は多国間・多次元交渉の枠組であった。その立案者として知られているゼリコ(P. Zelikow)は、ビーガンの「同時並行」交渉戦略の枠組を提供する、韓半島の恒久的平和を構築するための多次元交渉を提案する。ゼリコが提案する平和体制論の大前提は、米朝の段階的非核化交渉は、米朝両者はもちろん韓国と中国、日本とロシアおよび国連までを含む韓半島利害当事者たちが受け入れられる平和の根本条件を扱うことができないため、失敗せざるを得ないということである。彼の提案する交渉の領域は非核化の焦点である核とICBMを超え、停戦協定を代替する平和協定、在来式兵力減縮と短・中距離ミサイル、北朝鮮に対する経済制裁の解除、日本人拉致と北朝鮮の人権等を包括する。この提案の特徴は北朝鮮の非核化の意志を前提とせず、駐韓米軍と韓米同盟は韓国の民主的決定に任せるという点である。同様の脈絡でゼーリック(R. B. Zoellick)も多次元交渉を提案するが、在来式軍備交渉において駐韓米軍の減縮が可能だとみて、地域安保交渉において短距離ミサイルの減縮を必ず検討しなければならないと強調し、韓米が北朝鮮に経済改革モデルを提供し、制裁中にも食料、医療など人道的支援は必ず行われなければならないと主張する33

駐韓米軍の撤軍論は関与の極端として、強圧の極端である予防戦争の正反対に立っている。予防戦争は北朝鮮の核の脅威、とりわけ本土に対する脅威を死活問題のような国益としてとらえ、アメリカの軍事的能力を確信し、同盟の犠牲を甘受しようとする。撤軍論は、能力のレベルでは韓米が北朝鮮に対する伝統的封鎖と抑制の能力を保有しているが、北朝鮮の非核化を強圧する能力は備えていないと評価し、脅威と利益のレベルでは駐韓米軍が韓米両国の国益をむしろ阻害するため、駐韓米軍の撤軍は北朝鮮が望む平和体制−非核化の近道であると主張する34

撤軍論は冷戦の終焉以後ケイトー(Cato)研究所のバンドウ(D. Bandow)とカーペンター(T. G. Carpenter)が集中的に提起してきた。ケイトー研究所は自由至上主義によって対内外的に小さな政府を志向する、ワシントンでは非常に例外的な存在である。撤軍論は南北の国力格差に注目し、体制転換論が強調する北朝鮮の赤化統一の脅威に同意せず、韓国の自主性の侵害とアメリカの費用等を理由に、地域同盟論はもちろんワシントン主流の戦略的大前提である駐韓米軍駐屯の利点も認めない35。撤軍論は関与の交渉論や平和体制論にも全面的に同意しない極端な立場である。

ケイトー研究所はこれまで孤独にワシントンの介入ドグマとそれによる「終わらない戦争(endless war)」に反対してきた。今はホワイトハウスのトランプはもちろん野党の民主党である進歩的な大統領選挙の候補ら、そしてリベラル系と保守系とが連合して創立するワシントンの新しいシンクタンクであるクインシー研究所(Quincy Institute for Responsible Statecraft)、学界では現実主義と自由至上主義者らまでが、アメリカの覇権伝統とワシントンの覇権エリートを激烈に批判する36。アメリカ覇権の基盤自体に地殻変動が起こっているのである。撤軍論を無視することができない理由である。

 

 

平和(と混沌)、新しい始まり

 

板門店首脳会談のスローガンは「平和、新しい始まり」であった。南北首脳は二度と過去に戻らないと誓った。韓半島の非核化と平和体制の建設は、チェ・ゾンゴン青瓦台(大統領官邸)平和企画秘書官が今年7月アスペン(Aspen)安保フォーラムで強調したように、アメリカの予防戦争も、南北間偶発的衝突による核戦争も断言できない韓国にとっては選択の問題はない。北朝鮮の非核化意志に対して非常に懐疑的なスミ・テリー(Sue Mi Terry)とヒル(C. Hill)、ローズ(B. Rhodes)もその場で現実的交渉論を支持した。北朝鮮の非核化の真正性の有無はもはや強圧と関与の基準ではない。

ところが、平和へ向かう道は決して順調ではない。6月末南北米首脳の歴史的な板門店会合以後、北朝鮮は韓米連合軍事訓練に対する反発として短距離ミサイル挑発を敢行し、ロシアと中国は連合訓練をして韓国の領空を侵犯し、日本は歴史問題で経済報復を加えている。トランプは北朝鮮に対する最大の圧力から関与へ旋回しながら、韓半島平和プロセスをリードしているが、同時に中国との貿易および為替戦争を始めており、韓日の歴史と経済紛争には関与せず、同盟分担金の大幅増額を要求している。価値と経済と安保のすべての面において両国の利益が調和された韓米同盟はもはや存在せず、韓国の安保と経済が頼ってきた対外環境の全盤が崩壊しつつある。平和と混沌の大転換が始まったのである。

 

訳:李正連(イ・ジョンヨン)

 

 

  1. Leon V. Sigal, “ What Have Twenty-Five Years of Nuclear Diplomacy Achieved?” in Pathways to a Peaceful Korean Peninsula: Denuclearization, Reconciliation and Cooperation, ed. Kyung-ok Do, Jeong- Ho Roh, and Henri Féron, Korea Institute for National Unification 2016, p.53.
  2. Joshua Stanton, Sung-Yoon Lee, and Bruce Klingner, “Getting Tough on North Korea: How to Hit Pyongyang Where It Hurts,” Foreign Affairs 2017年5・6月号, p.74.
  3. Stephen Biegun, “ Remarks on DPRK at Stanford University,” U. S. Department of State 2019.1.  31 (www. state. gov).
  4. Jeffrey Lewis, “ Trump Just Walked Away from the Best North Korea Deal He’ll Ever Get,” NPR 2019. 3.1
  5. Choi Jong-kun, “ North Korea: Where Do We Go from Here,” Aspen Security Conference 2019.7. 20.
  6. 脱冷戦期アメリカの覇権の歴史的変化とトランプの登場に対する詳細な説明は、拙著『冷戦以後のアメリカの覇権』(ハンウルアカデミー 2017)を参照。
  7. 拙稿「米朝首脳会談の『衝撃と恐怖』:アメリカの覇権と北朝鮮の核」『成均チャイナブリーフ』6巻2号、2018、pp.128-133.
  8. “ Keynote with Special Representative Stephen Biegun,” 2019. 3.11(carnegie. ru).
  9. 「北朝鮮の核ミサイルの保有現状への注目...『核兵器最小20個保有...秘密施設で核物質生産』」、VOA 2019. 2.28.
  10. 代表的にMichael J. Green and Matthew Kroenig, “A New Strategy for Deterrence and Rollback with North Korea,” War on the Rocks 2017.10.19.
  11. Susan E. Rice, “ It’s Not Too Late on North Korea,” The New York Times 2017. 8.10.
  12. David E. Sanger, “ Talk of ‘Preventive War’ Rises in White House Over North Korea,” The New York Times 2017.8.20.
  13. Michael J. Green and Matthew Kroenig, 前掲論文.
  14. John Bolton, “ The Legal Case for Striking North Korea First: Does the Necessity of Self-Defense Leave‘ No Choice of Means, and No Moment of Deliberation’?” The Wall Street Journal 2018.2.28.
  15. Gordon G. Chang, Nuclear Showdown: North Korea Takes on the World, New York: Random House 2006.
  16. Gordon G. Chang, Losing South Korea, New York: Encounter Books 2019.
  17. Gordon G. Chang, “ The Hanoi Summit: We Asked Gordon Chang What Happens Next in U.S.-North Korea Relations,” The National Interest 2019.3.12.
  18. Sung-Yoon Lee, “ The Pyongyang Playbook,” 2010.8.26.
  19. Sung-Yoon Lee, “How Trump Can Get Tough on North Korea: Making Kim Pay for Belligerence,” Foreign Affairs 2017.1.18.
  20. Joshua Stanton, Sung-Yoon Lee, and Bruce Klingner, 前掲論文、p.74.
  21. Victor Cha, Alignment Despite Antagonism: The United States-Korea-Japan Security Triangle, Stanford University Press 1999; Victor Cha, “ Hawk Engagement and Preventive Defense on the Korean Peninsula,” International Security 27(1), 2002, pp.40-78.
  22. Victor Cha, “Giving North Korea a ‘ Bloody Nose’ Carries a Huge Risk to Americans,” The Washington Post 2018.1. 30.
  23. Michael Green et al., “Asia-Pacific Rebalance 2025. Capabilities, Presence, and Partnerships: An Independent Review of U. S. Defense Strategy in the Asia-Pacific,” CSIS 2016.1.
  24. Mike Mullen, Sam Nunn, and Adam Mount, A Sharper Choice on North Korea: Engaging China for a Stable Northeast Asia, New York: Council on Foreign Relations Press 2016.
  25. Victor Cha and Katrin Fraser Katz, “ The Right Way to Coerce North Korea: Ending the Threat Without Going to War,” Foreign Affairs 2018年5・6月号、pp.87~102.
  26. Victor Cha, “ Trump and Kim Have Just Walked Us Back from the Brink of War,” The New York Times 2018.6.12.
  27. Victor Cha, “Seoul Searching,” The National Interest 161, 2019, 10-19.
  28. William Perry, “ Why I’m Still Hopeful about Trump’s North Korea Deal: And Why It Also Won’t Be Easy,” Politico Magazine 2018.7. 2.
  29. Robert Jervis and Mira Rapp-Hooper, “Perception and Misperception on the Korean Peninsula: How Unwanted Wars Begin,” Foreign Affairs 2018年5・6月号、pp.103-17
  30. ク・ガブ 「平昌『臨時平和体制』の形成原因と展開:韓半島の安保ジレンマと韓国の『トリレンマ (trilemma)』」、『韓国と国際政治』34巻2号、2018、pp.137-69;Nicholas D. Anderson, “Americas North Korean Nuclear Trilemma,” The Washington Quarterly 40(4), 2017, pp.153-64; Christopher Lawrence, “A Window into Kim’s Nuclear Intentions? A Closer Look at North Korea’s Yongbyon Offer,” War on the Rocks 2019.1.15; Jeffrey Lewis, 前掲論文.
  31. Robert Einhorn, “ US-DPRK Negotiations: Time to Pivot to an Interim Agreement,” 38 North 2019.8. 2; Richard Haass, “ Picking up the Pieces After Hanoi,” Project Syndicate 2019. 3.15; Harry J. Kazianis, “Denuclearization Is a Fantasy: Why Trump Should Embrace the Truth on North Korea’s Nukes,” The National Interest 2018.10.11; Harry J. Kazianis, “ The Trump Administration Must Choose: Contain China or Take on North Korea,” The Hill 2018. 8.13.
  32. 代表的にLeon V. Sigal, “‘All Take, No Give’ Won’t Work with North Korea,” 38 North 2018.8. 29.
  33. フィリップ・ゼリコ「北朝鮮といかに外交をするか−非核化にのみ集中する戦略は間違いである」『JPI政策フォーラム』2018−35;Robert B. Zoellick, “How to Negotiate with Kim Jong Un: No More Generalities and Sweet Talk. It’s Time to Hold the North Korean Leader to Specific Promises,” The Wall Street Journal 2019. 2. 24.
  34. Ted Galen Carpenter, “ Trump-Kim Jong Un Talks Shouldn’t Focus on Getting North Korea to Give up Its Nukes,” Cato Institute 2019.7.1; Doug Bandow, “Should U. S. Trade Troops in South Korea for Norks’ Nukes?” Cato Institute 2018.5. 27.
  35. Doug Bandow and Ted Galen Carpenter, eds., The U. S.-South Korean Alliance: Time for a Change, New Brunswick: Transaction Publishers 1992; Ted Galen Carpenter, “Ending South Korea’s Unhealthy Security Dependence,” Korea Journal of Defense Analysis 6(1), 1994, 175-94.
  36. Stephen Kinzer, “ In an Astonishing Turn, George Soros and Charles Koch Team up to End US ‘ Forever War’ Policy,” The Boston Globe 2019.6.30; Daniel Nexon, “ Toward a Neo-Progressive Foreign Policy: The Case for an Internationalist Left,” Foreign Affairs 2018.9.4; Stephen M. Walt, The Hell of Good Intentions: America’s Foreign Policy Elite and the Decline of U. S. Primacy, New York: Farrar, Straus and Giroux 2018; Patrick Porter, “ Why America’s Grand Strategy Has Not Changed: Power, Habit, and the U. S. Foreign Policy Establishment,” International Security 42(4), 2018, pp.9-46.